当院の診療方針
Treatment policy当院の診療方針
当院は主に小児科を標榜しておりますが、感染症・アレルギー性疾患・皮膚疾患ついては、ご家族の方などもご受診いただけます。
また、プライマリー医療(最初にかかるクリニックの医療のこと)の一環として、「何科を受診して良いか分からない」といった場合にもお気軽にご相談下さい。可能な範囲で当院で対処させていただき、必要に応じて適切な診療科をご案内させていただきます。
当院の診療領域とその理由
当院は、小児科を主とした医院であり、分野で言えば「感染症」・「アレルギー」・「皮膚疾患」といった領域に強みがあります。
また地域のプライマリー医療(最初にかかるクリニックの医療のこと)を行う医院として、感染症、アレルギー疾患、皮膚疾患に関しては、小児に限らず診療を行っています。その理由は以下の通りです。
まず感染症に関して、当院では、2つの隔離室と、それぞれに独立排気を行う空調設備と言った、感染症診療のための充実した設備があります。
そして例えばインフルエンザなどの場合、年齢で区切らずご家族単位で診療を行うことは、①ご家族の労力の軽減、②ご家族の状況を把握することによる診療の質的な向上、③ご家族が一緒に動かれることによる感染拡大抑制、といったメリットがあります。
またアレルギーに関しては、小児科では食物アレルギーや気管支喘息、アトピー性皮膚炎といったアレルギー疾患が多く、一般的に小児科医はアレルギー疾患の知見が豊富です。また花粉症の発症年齢も低年齢化しており、6歳頃から舌下免疫療法を行う例も多くあります。
従って少なくとも、食物アレルギー・気管支喘息・アトピー性皮膚炎・花粉症・通年性の鼻炎/結膜炎などについては、小児以外でも診察させていただくことが可能です。なお、エピペンの処方・指導や、微量採血による41項目のアレルギー検査、舌下免疫療法の導入なども行っております。
一方で、成人に多く小児で少ないアレルギー疾患として、薬剤アレルギーや、金属アレルギー・ラテックスアレルギーといった皮膚のアレルギー反応などがあります。これらはそれぞれ、薬剤は内科、皮膚は皮膚科の専門医の先生の方が、知見が多いため、お勧め/ご紹介させていただいております。
さらに皮膚領域は、そもそも年齢で区切ることは一般的にありません。そして日本においては皮膚科専門医の先生の数に地域差が大きく、局所的に医療が届きづらい地域があるのが現状です。そのため皮膚科の先生の少ない地域では、本来ならば難しくない皮膚疾患が放置されて悪化し、入院して内科的な介入が必要になるケースもあります。
しかし実際にはプライマリーケア医でも診療可能な皮膚疾患は多く、それらをまめに治療していくことが、将来的に大きな病気に発展することを防ぐ事に繋がる、と考えられています。
当院院長は皮膚科専門医ではありませんが、湿疹やいぼなど、一般的な皮膚疾患は診療可能ですので、お気軽にご相談ください。(「縫合を必要とする外傷」「大がかりな機材を必要とする治療」「その他皮膚科の専門的な診療」は当院ではお受けすることができません。)今後さらに研鑽を積み、診療の充実を図っていこうと考えています。
診療の年齢区分について
一般的に、中学生までは小児科、高校生以上は内科、が一つの区切りとされています。
ただし当院では、上記の理由で、「感染症(発熱外来含む)」・「アレルギー疾患」・「皮膚疾患」に関しては、小児に限らず診療を行っています。
他科との境界線ー症状・疾患別(代表例)
症状によっては他の専門科とどちらを受診すべきか迷われることがあるかと思います。以下に代表的な例とそれぞれの診療科の特徴をご案内します。
風邪症状(咳・鼻・喉)は、耳鼻科か、小児科か
耳鼻咽喉科は鼻・耳・喉の専門的な処置を得意とし、小児科は胸の音の聴診なども含めて全身の総合的な診察を得意とします。
オーバーラップしている部分も多いですが、一例として、咳が強い場合は小児科、中耳炎や副鼻腔炎が心配な場合は耳鼻咽喉科が適しているかと考えます。
アトピー性皮膚炎やじんま疹は、皮膚科か、小児科か
アトピー性皮膚炎やじんま疹は皮膚に現れる疾患ですが、アレルギーが関与していることが多い疾患でもあります(他にも寒暖差や、体調なども関与します)。
皮膚の診断・治療に重きを置く場合は皮膚科が優れていると思いますが、アレルギーを抑える治療や原因物質の検査などに重きを置く場合は、小児科の方が知見があると考えます。
やけどや怪我は、皮膚科か、小児科か
やけどや怪我の診療は皮膚科の方が知見があると考えます。当院では、「縫合を必要としない外傷」・「小規模なやけど」は診療可能ですが、それ以上の場合は、皮膚科専門医をお勧めする、もしくは専門の病院をご紹介させていただいております。
肘内障は整形外科か、小児科か
0〜4歳ぐらいのお子様が急に腕を痛がって上げられなくなることがあります。多くのケースが「肘内障」という疾患で、何かのひょうしに肘が抜けてしまう病気です。
専門は整形外科で、小児科でも整復可能なケースも多いですが、とくに骨折の可能性がある場合は、整形外科の受診をお勧め/ご紹介させていただきます。
目やにや斜視など眼の疾患は、眼科か、小児科か
目やにやアレルギー性結膜炎に対して、目ぐすりの抗生剤や抗アレルギー薬をお出しすることは小児科でも行います。ただ眼の表面や中を細隙灯(目を診るための顕微鏡)で診察するなど専門的な診療は眼科専門医の先生をお勧め/ご紹介させていただいております。
また斜視(眼が離れている/より目に見えるなど)の治療は眼科専門医の先生にお願いをしておりますが、乳幼児(生後6ヶ月〜)の斜視や近視・遠視・乱視を調べる、「スポットビジョンスクリーナー」という機械を導入しています。
7ヶ月健診・5歳児健診を当院で行うお子様には公費で、その他の月年齢の斜視の疑いのある方は保険診療として行っておりますので、お気軽におたずねください。
その他、境界線が分からない事も多いと思いますので、お気軽に医師までお尋ね頂ければと思います。